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化合物の毒性予測

     
 

創薬は,あらゆる研究開発の中でも最も多くの時間と費用を要する分野の一つである. 薬剤開発には,約9~17年の期間と約500億円もの費用がかかり,臨床試験に到達した薬の9割は撤退を余儀なくされている. 撤退の原因の3割は化合物の毒性である. 撤退を未然に防ぐには,臨床試験の前に毒性を予測し,スクリーニングしておくことが重要である. 従来,化合物の毒性予測は,主に動物実験によって,行われていた. しかし,近年,倫理的な問題から多くの国で規制や禁止が計画,もしくはすでに実施されている. その他にも,ヒトと動物との作用機序の違いにより,動物実験による毒性予測を行って承認された化合物が,ヒトに対して毒性を示す可能性がある.動物実験の代替として,ヒト多能性幹細胞を使った毒性予測が注目を集めている. すなわち,iPS 細胞やES細胞などの多能性幹細胞に化合物を暴露させ,それによる遺伝子発現量の変化から,機械学習モデルを介して毒性を予測する.

 
     
     
  References  
     
  Rikuto Mochida, Miya Nakajima, Haruki Ono, Takahiro Ando, Tsuyoshi Kato, Mixup SVM Learning for Compound Toxicity Prediction Using Human Pluripotent Stem Cells, IEICE Transactions on Information & Systems, Vol.E107-D,No.12,pp.-,Dec. 2024.  
     
     
 
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