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酵素活性部位探索
     
 

分子生物学において酵素は重要なタンパク質です.というのも,細胞内で様々な酵素が様々な化学反応を助けることによって細胞は生きているからです.薬理工学や農学などに応用する場合,酵素の機能をあらかじめ分類しておく必要があります.

タンパク質は巨大な分子で3次元的な構造を持っています.巨大分子の含まれるほんの小さな一部分の原子集合(活性部位)の3次元的な配置がタンパク質の機能を決めています.原子の配置を注意深く調べればそのタンパク質の機能をある程度推定することができますが,専門家が手作業でこの推定作業を行うのは非常に大きな労力がかかります.そこで,計算機を使って自動的に活性部位を探索する研究があります.

従来の方法では,活性部位の候補に対して,あらかじめ機能がわかっている酵素の活性部位と比べて,十分形が似ていれば,同じ機能を持つだろう,と予測していました.本プロジェクトでは,新たに機械学習的アルゴリズムを開発して,高精度に類似度を計算するようにしました.

 
  計量学習の効果  
  図 計量学習の例.RMSD は機能既知の部位から候補となる部位を絞り込むための典型的な方法です.RMSD は機能既知の部位からの各原子間の距離の平均で定義されます.この例では,10個の対応する原子を持つ5個の正例(機能部位)と5個の負例(それ以外)の例を示しています.この場合では,(a)に示すように,どこに閾値をおいても重みなし平均では正例と負例を分けることはできないことが分かります.本プロジェクトで開発した計量学習アルゴリズムを使うと,正例と負例を分ける重みを見つけ出します.この例では,その重みを使った RMSD では (b) に示すように完璧に正例と負例を分離しています.  
     
  文献  
  [17] Tsuyoshi Kato and Nozomi Nagano: Metric Learning for Enzyme Active-Site Search, Bioinformatics, Vol.26, No.21, pp.2698-2704 (2010), [pdf].  
  [18] Tsuyoshi Kato, Kazuhiro Suwa and Nozomi Nagano: Parametric Templates: A New Enzyme Active-Site Prediction Algorithm. In conjunction with the 10th IEEE International Conference on Data Mining (ICDM 2010) Biological Data Mining and its Applications in Healthcare.  
  [19] Tsuyoshi Kato and Nozomi Nagano: Discriminative Structural Approaches for Enzyme Active-Site Prediction. BMC Bioinformatics, Vol 12(Supple 1), S49, presented at The Ninth Asia Pacific Bioinformatics Conference (APBC2011).  
  [xx] Nozomi Nagano, Naoko Nakayama, Kazuyoshi Ikeda, Masaru Fukuie, Kiyonobu Yokota, Takuo Doi, Tsuyoshi Kato, Kentaro Tomii, EzCatDB: the enzyme reaction database, 2015 update, Nucleic Acids Research, 43(Database issue):D453-8. doi: 10.1093/nar/gku946, Jan 28, 2015.  
  [xx] Raissa Relator, Nozomi Nagano, Tsuyoshi Kato: Using Bregmann Divergence Regularized Machine For Comparison of Molecular Local Structures, Vol.E99-D,No.1,pp.275--278, Jan. 2016. [bibtex][pdf][japanese ppt][japanese techrep]  
     
 
[English]
 
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